子供が問題を起こしたときは・・・ [学校]

いつものように、二時半前にともみを迎えに行くと、
教室の前で担任の Ms. A が私を見つけて手招きしてきた。

見ると、ともみのクラスのロズアナとアリアナが、ともみと一緒に先生の横に立っている。
「おかしい」
ロズアナとアリアナは犬猿の仲なのだ。

その隣ではアリアナのママが私を見て、苦笑い。
近寄ると、どうやら何かトラブルがあったらしい。もともとこの三人の間には
複雑な関係があって(といったって一年生なんだけど)、ロズアナはともみが大のお気に入り。
だけどアリアナとともみはとても仲良しでいつも一緒。
だから前から何度となく、ともみの取り合いをやっていて、ちょっと前には、ロズアナとアリアナが
" Fight (けんか。結構派手にやったらしい)したのよ " ・・・と、アリアナのお母さんが頭を抱えていた。

だけどロズアナも、そんなことで引き下がるような子じゃないところがすごい。
ともみにはほとんどストーカー状態で、朝も帰りもともみのところに来ると、
「トモ~ミ~」と走りよってきて、ガバっと抱きついてくる。
親愛の情が行き過ぎて、時にはともみの物を隠したり、他の子にも
はっきりものを言い過ぎて No! と言われたりと、ちょっとクラスの問題児
的な子なのである。クラスの手伝いに行ったときも、先生に注意されると、
「I know , I knoooooow !!! 」 (わかってる~!!!)って叫んでいたな。

でもタフで、結構愛嬌があって、私は嫌いじゃないんだけど。

そんなこんなで、今日もロズアナはともみとアリアナを追い掛け回し、
ついに先生もほうって置くわけにはいかなくなったらしい。

この先生の英語は、私いまだに良くわからないのだけど、「他の子にも
良くない影響がある」「誰だって尊重されなければならないからね」と
言っているあたりは、なんとか聞き取れた。そして、
「話合わなければならないわね。校長室に行きましょう」と、
言われてしまったのである。

そう、こちらでは殴り合いのけんかとか、何か担任の先生だけの手に負えない
問題になると、どうやら校長先生直々のお裁き?(それともお説教?)があるらしい。
うわさには聞いていたけど、ともみが校長室行きになるとは。

(へえ~、校長室かあ)と、内心面白がってしまう私。だって所詮一年しかいないし、
まさか退学ってわけじゃないだろうから、気楽なものだ。
それに比べて、さすがに英語のよく分からないともみにも、この状況は
まずいと理解できるらしく、えらく神妙な顔をしている。

アリアナのお母さんなどは、目がすでにウルウルしている。
最初の子供だし、学校に行きたくないと朝、教室の前で駄々をこねることもしょっちゅうで、
お母さんは苦労しているのだ。ちょっと同情してしまった。

後からきたロズアナのお母さんも合流して、さっそくオフィスの奥の校長室へ。
顔は知っていたけれど、校長先生と話すのは初めてだ。
でも、担任の Ms. A も校長先生もジョークを言いながら(でも全く理解できず)、
いたって明るい。

校長先生の前に並べられた三つの椅子に、それぞれ自分の子供を膝に乗せて
座る私たち。これから何の話が始まるんだろうと思ったら、まずは
校長先生がロズアナに色々質問し始めた。

速い。よく分からない。

色々問題のあった状況を尋ねて、どうやら理由を聞いているらしい。
こんなに大人たちのいる前でも、はっきり自己主張するロズアナ。

「この子は将来、大物になるわあ」と、妙に関心。

その後はともみに「時々はロズアナと遊んでいて、楽しいと思うことは
あるの?」と質問が。
かろうじて聞きとれたので、ともみに聞いてみると「 Yes 」。

それを聞いてうなずいた校長先生、今度は同じ質問をアリアナに。
それまでうじうじしていたのに、「 No ! 」ときっぱり。

まっ、そうだろな。

この後も、校長先生は一人一人に質問を繰り返し、言い分を聞き、最後に
ロズアナに話を始めた。
「あなたが誰かと一緒に遊びたいと思っても、相手が遊びたくないと言ったら、
あきらめなくてはいけません。他の子と遊ぶか、一人で遊ぶのよ。
だってそれは、その子の権利なのよ」。

おー権利かあ。さすがアメリカだ。権利だよ。

その後も担任の先生と、「三年生の子を担当にして、一緒に遊ばせようかしら」
などなど、(ロズアナの)対処法が二人の間で話し合われていたけれど、その辺りは
よく聞き取れず ???。

でも話し合いが終わると、私たち親には「ご家庭でももう一度話し合って
みてくださいね」というようなことを(たぶん)言われたのみ。

日本だと親と先生の話し合いになるのが普通なのに、へえ~こども
の言い分を直接聞くんだ~と、妙に新鮮だった。
それに日本だと絶対、お友達とは仲良くしなさい、とか言われるんだろうな。
そう言えば、こちらに来て先生とか他のお母さんとの話に
「尊重」とか「平等」とかって言葉が何回か出てきたっけ。

何がどうってわけじゃないけど、みょ~にアメリカを感じてしまった今日の
出来事。
ともみは怒られなかったし、すぐに立ち直ってたけど、アリアナの
お母さんは校長室に呼ばれてしまったこと自体がショックだったみたい。

ちょっと心配。
私の英語力では励ますなんてとても出来ないだろうけど、明日会ったら
声かけてみよう。
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yukko

あんちゃーーん!!(あ、ここではこりすさんなのね♪)
おひさしぶり!あけおめ!高知のゆっこだよーー♪

年賀状みてビックリした~~っ(ノ゜⊿゜)ノ!!
あんちゃん海外進出!(笑)

ブログ教えてくれてありがとう♪
アメリカでしっかりたくましく楽しく過ごしてるあんちゃんの姿が目に浮かびます(*´ェ`*)

もう10年以上会えてないっけ~?懐かしいわぁ♪

のこり3分の2のデイビス生活、存分に楽しんでね!
また覗きにきまーす(^▽^)
by yukko (2009-01-13 11:59) 

こりす

わーゆっこちゃんありがとう!お久しぶり!
年賀状届いてよかったわあ。
人生何があるか分からないね(笑)アメリカ生活、ドタバタしながらも
楽しんでます。
最後にゆっこちゃんに会ったのいつかなあ。
会いたいなあ。
ブログに私の顔を出せないのが残念だけど(もうすっかりおばさんよ)、
ときどき覗きにきてね。
by こりす (2009-01-13 14:53) 

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